着物の寸法のなかで、
衿合わせ・衿の着崩れに影響する寸法が「抱き巾(だきはば)」です。
仕立てのご依頼で、身巾の指定はあっても、
抱き巾の寸法まで指定されることは、ほぼありません。

上の写真は、抱き巾6寸3分・前巾6寸3分という寸法で仕立ててあります。
麻100%の浴衣です。長じゅばんを着て、夏着物としても着ています。
前巾6寸3分は、
とても着心地の良い寸法ですが、
抱き巾6寸3分は、
浴衣として着た時は、少し足りないという感じです。
仕立ての基本として、
ヒップ100㎝未満の場合、抱き巾は前巾よりも狭くします。(注:考え方・地域によります。)
ヒップ100㎝を超えた場合は、「通し」と言って、抱き巾=前巾で仕立てていきます。
上の写真の浴衣の場合、
「抱き巾を通しで仕立てた」
と、言うことになります。
私のヒップは93㎝です。
基本からすれば、抱き巾を前巾よりも少し狭く仕立てます。
この浴衣の場合は、
「浴衣としても着たいので、抱き巾は広めにほしい」
という思いから、「抱き巾通し」の仕立てになりました。
しかし、
衿崩れはないものの、脇のたるみが気になります。
つまりは、抱き巾がすこし足りない、ということになります。
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